そのような警察をはじめとした権力者との癒着は海外のジャーナリストも当然のごとくやってること。なかなか口外できない秘密を多く抱えているであろう権力者も、やはり人間。ある程度信頼関係を築いたジャーナリストには、つい本音をポロっと言ってしまうこともあるでしょうから、「デキる記者ほど権力と癒着する」というのはよくわかります。
しかし、「著名人の自死(不審死)」報道においては、いくら「絶対的に注目される(メディア的には)おいしいネタ」としても、通常の「警察がリーク→ニュース速報」といった日本の警察・報道は大問題だと思います。
Robin Williams (ロビン・ウイリアムズ)
世界的に有名な俳優・コメディアンであった「ロビン・ウイリアムズ」氏は、2014年8月11日、11時55分に自宅で寝室でベルトを首に巻いた状態で発見され、12時に救急隊が到着し、12時02分に死亡が確認されました。
6年も前の出来事なので、削除されてしまった記事もあるかもしれませんが、現存する記事やニュース速報動画を徹底的に調べたところ、最速での記事は「Variety」15時55分配信と、「TMZ」15時58分配信。死亡確認時刻から約4時間後でした。
「Variety」も「TMZ」どちらも有名な老舗なエンタメニュース誌 / サイト(「Variety」は115年の歴史が!)。アメリカを代表するメジャーな新聞社やニュース番組は、だいたい18時くらいからの速報配信が多いので、2つのゴシップサイトはぶっちぎりの速さですね。
しかし、春馬さんの状況と比べたら、日本のメディア速報は3時間も早いので「やっぱり日本のメディアは優秀なのね!」と思ってしまうかもしれませんが、それはメチャクチャ勘違いですよ。
ロビン・ウイリアムズ氏のマネージャーから911(日本の110+119)通報を受け、捜査を担当することになった「マリン州保安官事務所」は、死亡確認時刻から数時間以内にこのような公式発表を行ってます。
この 警察の公式発表を受けて、アメリカ国内は勿論こと、世界の全メディアはその内容を的確に報道している んですよ!!
だから、メディアが訃報を流すまでに時間がかかったんですね。
下記は私が調べた全世界50以上のメディア(英語記載のみ)のうちの一部ですが、どこも警察発表の内容とのズレがありません。
死去当日には、「今あるだけの情報をとりあえず集めた」という感じの短い文(上の画像)だった公式発表でしたが、翌日8月12日になると、警察はメディアを集めた記者会見も行い、読み上げられた文章にはなんと6ページにも渡って詳細 が!しかも、警察署のホームページに掲載され、誰でも見られるようになっていました。(現在は、時間が経過してしまったため削除されてますが)
2014年8月12日に開かれた記者会見
この時点で、警察から公式に発表されたのは…
・8月11日より更に詳しい現場の状況
・午前8時から行われた司法解剖の結果
・薬毒物検査の結果は、更に2~6週間ほどかかる事
・「自殺」とみられるが、現段階では「自殺」と最終的には判断されていない事
・捜査が完了したら、新たに記者会見を開く予定をしてる事
質疑応答は、勿論、日本政府の「記者クラブ」のように「予め決められた記者の 決められた質問に台本ありきで答える」記者会見ごっこ形式ではなく、その場に集まった記者をランダムに選んで、その記者の質問に答えています。「どのような感じで首つりをしたのか?」との体勢から、「自殺とみられると判断したのはなぜか?」「何時に首を吊ったのか?」などの詳細を質問され、警察官は具体的に(8月12日時点で判っていることを)答えています。
因みに…この記者会見は、『CNN』をはじめ、いろいろなチャンネルの緊急特別番組内で生放送されています。
更に、ロビン・ウィリアムズ氏 死去から約3か月経った11月7日。よくやく薬毒物検査の結果が出て、捜査が終了。警察は再度キチンと記者会見で公式発表しています。
あまりにも長いので、日本語訳はしませんが、個人情報は黒塗りされているものの、ざっと読んだところ、司法解剖は「どのような手順で、身体の外側と内側のどこの部分の何を調べ、何が判ったのか」などの詳細結果から薬毒物検査の結果まで公開されています。(以下は「
Autopsyfiles.org」や「
TMZ]で公開されている35頁のうちの7頁)
Kate Spade(ケイト・スペード)
「ケイト・スペード」氏は、夫のアンディ・スペード氏と、ファッションブランド「ケイト・スペード ニューヨーク(kate spade new york)」を1993年に創設。アメリカを代表するファッションデザイナーでしたが、2018年6月5日午前10時20分頃、首を吊っている状態で発見され、警察によりその場で死亡が確認されました。
通報を受け、捜査を担当することになった「ニューヨーク市警察」は、死亡確認時刻から数時間内に記者会見を行ってます。
2018年6月5日に開かれた記者会見
この時点で、警察から公式に発表されたのは…
・ニューヨークマンハッタン・パークアヴェニューにある自宅の寝室のドアノブに、スカーフを巻き首を吊っているのをハウスキーパーにより発見されたこと
・遺書があったこと
・現場の状況から「自殺」とみられるが、最終判断はされていないこと
・何時に死亡したのかは不明
・死亡が確認された時、夫は在宅だったこと
・司法解剖が終わり次第、結果を伝えること
そして、その 公式発表の内容を基に、全世界のメディアがニュース速報 を配信。
最速は、「TMZ」12時5分(太平洋標準時刻9時5分)「Variety」14時32分(太平洋標準時刻11時32分)配信。と、死亡確認時刻から約1時間30分後。こちらはロビン・ウイリアムズ氏の時よりもかなり早い速報になっています。


『CNN』は13時30分には速報
こちらは『ABC News』
『Global News』では、
遺体を自宅アパートから司法解剖のため
搬送される場面までも生中継されてます。
そして、死去から2日後の6月7日、司法解剖の結果がニューヨーク市医療機関によって公開され、「首吊りによる窒息で死亡し、自殺だった」と断定されました。
【参考資料】
Hideki Irabu (伊良部 秀輝)
アジア人初のワールドシリーズチャンピオンのプロ野球選手である「伊良部 秀輝」氏がロサンゼルス近郊の自宅で首を吊った状態で死亡しているのが発見されたのは、2011年7月27日16時25分頃。
発見されるまでの数日間、いつ亡くなったのかは定かではないので、ニュース速報の時間は参照になりませんが、捜査をしたロサンゼルス州保安官事務所のが窓口となり、以下の捜査の状況をメディアに伝えています。
・白いTシャツと暗い色のズボンを着用していたこと
・司法解剖によると、身体は厚さ1.27cmの白いロープで吊るされていたのが判明したこと
・死亡推定時刻は数日前の、おそらく最後に生存が確認された7月24日
・伊良部氏のパソコンは日本語設定になっており、最近になって新しく作成されたドキュメントはなかったこと
・事件性は疑われていないこと
・妻と2人の娘に遺書は残してなかったこと
・「パキシル」と呼ばれている抗うつ剤「パロキセチン」が半分残った容器と、通称「アティヴァン」と呼ばれる非常に強い精神安定剤「ベンゾジアゼピン」2錠が自宅から見つかったこと
そして、「事件性の疑いはない」という伊良部氏の場合であっても、司法解剖・薬毒物検査がキチンとされ、2日後に出た司法解剖の結果では「死に至った方法は、自殺である」と断定。後の薬毒物検査では「血中から0.23%のアルコール(カリフォルニア州の車の運転が可能な数値の約3倍近く)と、肝臓から精神安定剤が検出されています。(
2017年8月1日『Sports Illustrated』)
「阪神引退後に開店したロサンゼルス市内のうどん店 ”SUPER UDON" の経営が行き詰まり、2009年に日米独立リーグで現役復帰したが右手腱しょう炎で思い通りにいかなかった。更に、亡くなる1カ月以上前に妻と娘2人とは別居。そのような背景から悩みと葛藤の日々を繰り返す中で、追い詰められたかもしれない。」と報じられました。(
2011年7月30日『スポニチアネックス』)
Alexander McQUEEN
(アレキサンダー・マックイーン)
「アレキサンダー・マックイーン」氏は、「Givenchy」や「Gucci」に勤めた後、自身の名を冠したファッションブランド「アレキサンダー・マックイーン」を設立。ビョーク、レディー・ガガ、リアーナなどの前衛的なファッション・スタイルをもつ顧客を抱えていたほか、「British Designer of the Year」を4度にわたって受賞したイギリスを代表するイギリスのファッションデザイナー。
マックイーン氏は2010年2月11日午前10時20分(マックイーン氏のお母様の葬儀の前日)、自宅のクローゼットで首を吊った状態で発見され、警察によりその場で死亡が確認されました。
ニュース速報をいろいろと見ていると、一報では「Suicide=自殺」という言葉を大々的に使ったタイトルの記事が殆どありません。
捜査をすることになった「メトロポリタン警察」の最初の公式発表文は、どうやらこれだけのよう。
・今朝10時20分頃、死亡した男性が発見された「グリーンストリートW1」の住所に向かうよう、「ロンドン救急サービス」から通報を受けた
・その男性はロンドン出身の40歳と見られる
・遺族による正式な身元確認を待ってから、男性の名前を発表する
・検視や司法解剖は後に行う予定
・事件性はないと見られる
「状況的には『自殺』と見られる情報があるが、警察やマックイーンの広報からの確認がない。マックイーン氏がどのように発見されたのか…にも言及がない。匿名の情報提供者によると、『マックイーン氏の会社のスタッフが首を吊ったマックイーン氏をアパートで発見した』と、タブロイド紙の『The Sun』はウェブサイトで報じている(
2010年2月11日『CTV News』)」
…と、カナダのニュースにはあるので、どうやらアメリカとは違い、イギリスの警察は最初から情報をバーンと出すのではなく、最低限の情報だけにしている様子。
ケイト・スペード氏の時と同様、遺体を自宅アパートから検視のため
搬送される場面までも生中継されてます。
足りない情報は、タブロイド紙に頼って埋めていることから、日本と似てるなぁ。。という印象を受けますが、圧倒的に違うのは「死因審問」というイギリスの検死制度。
イギリスには、コロナー(coroner)と呼ばれる検死の専門官職による検死制度があります。医師・ 警察官・戸籍係・市民等から異状死の届出を受けたコロナーが、死因を調査し、必要があれば 解剖医に解剖を指示。重要な事例については死因審問(inquest)を開くなど、公正な立場で死因を解明する制度ですが、著名人の「自殺」と見られる死は、「突然死で死因が不明」であり、「人の死亡が公衆の健康若しくは安全に影響を及ぼす」重要な事例にあたるので、「死因審問」を開催して死因を解明しなければならないそうです。
マックイーン氏死去から約1週間が過ぎた2月17日。
ロンドンで開かれたウェストミンスター「死因審問」で、Lynda Martindill検視官 や メトロポリタン警察署のPaul Armstrong刑事 から捜査の内容が発表。
・姉の「Janet McQueen」氏によって身元確認
・2月15日に実施された検視結果では、首吊りによる窒息死が判明
・遺体の隣にはメモ書きがあり、死に関わる事柄が綴られていた
・メモ書きは更なる調査の為、Paul Knapman検視官に渡された
・事件性はうかがえない
・マックイーン氏は、2月2日に最愛の母を亡くした悲嘆をツイートしていた
・完全な司法解剖の結果が出るには、あと2~3か月かかる
・死因審問はマックイーン氏の死をまだ「自殺」と判決を出していない
・次回の死因審問は4月28日に開催予定
そして、予定通り迎えた4月28日の「死因審問」では、Lynda Martindill検視官 や Paul Knapman検視官からマックイーン氏の死の捜査で判明した背景、司法解剖と薬毒物検査の結果が発表され、ようやく「自殺」と最終判断が出ました。
・仕事へのプレッシャーや母親の死から精神のバランスを崩した
・「鬱病・不安症・不眠症」の病歴がある
・過去に2度(2009年5月・7月)薬物の過剰摂取で自殺未遂した
・今回亡くなる前にネットで自殺について検索していた
・仕事で成功を収めても、「何かを成遂げた」と感じたのは人生のほんの一部であり、ファッションショーの後にマックイーン氏は大抵激しく落ち込み、孤立を感じていたので、母親の死で生きる目的をなくしてしまったのでは(マックイーン氏の精神科医 Stephen Pereira氏)
・薬毒物検査では「大量のコカイン・睡眠薬」と「少量の精神安定剤」が検出された
・メモ書きは本の裏側に殴り書きされたもので、「Please look after my dogs, sorry, I love you, Lee.(私の愛犬達をよろしく頼む。申し訳ない。愛してる。)PS:Bury me in the church(教会に埋葬してほしい)」とあった
その他、下記のような詳細も報道しているところがありました。
・マックイーン氏のハウスキーパーCésar García氏は、正面玄関のチェーンがかかって開けられなかったので、ユーティリティルーム(洗濯機や掃除用具を入れておく部屋)から入り、マックイーン氏の犬たちがクンクン鳴き、主寝室が汚れているのに気が付いた。他の部屋でマックイーン氏を発見した際には、床に置かれたキャンドルにはまだ灯がともっていた。(2010年4月28日『The Guardian』)
【参考資料】
CNN「McQueen left a note and hanged himself, coroner says」
海外って、てっきり「WHO 自殺のガイドライン」に沿って、詳細は発表しないと思ったのに…そうじゃなかったんですね。同じ「自宅での縊死自殺」なのに、日本の芸能人達とあまりにも対処が違い過ぎませんか?
アメリカとイギリスの著名人のケースと比べることによって、「日本の問題点」が更に明白に判ります。
日本の問題点とは?
問題1「自殺」と断定する時間
ロビン・ウィリアムズ氏
アレキサンダー・マックイーン氏
2010年2月17日--第一回死因審問(検視・途中経過公表)
2010年4月28日--第二回死因審問(司法解剖・薬毒物検査結果)
2人の場合、「自殺」と確実に断定するには、2か月以上かかっていますよね。
ケイト・スペード氏 の場合は、2日間で自死断定されてますが…
この断定の速さは、夫や父親、姉妹などの遺族からの数々の決定的に「自死断定できる」以下のような証言と背景、現場の状況が理由だと思われます。
・長年、双極性障害と不安症の治療のための薬を日常的に服用していた
・何かの強い作用のある錠剤を服用するのを遺族は反対していた
・キャサリン・ゼタジョーンズ氏が双極性障害を治療した施設に入所するよう推奨していたが、ブランドイメージが傷つくことを恐れ、躊躇していた
・ロビン・ウィリアムズ氏の自殺報道を連続して見続けたり、「私の葬儀には参列してね」と言ったり、まるで自殺する計画を前々からしているような言動があった
・ご主人は離婚を要求、10ヶ月前から別居していた
・娘だけに残された遺書には「I have always loved you. This is not your fault. Ask Daddy!(ずっと愛してる。こうなったのは貴方のせいじゃない。お父さんに聞いてみて!)」とあった
ここまで自殺だと判断できる遺族からの証言があれば、自殺断定するのに2日間しかかかってなくても不思議ではありませんね。
なのに、日本の芸能人達の場合は、遺族でさえも「?」となるくらい、明白な自殺の兆候はありませんでした。鬱病や不安症の治療歴さえないと思われるのにもかかわらず、2日すら捜査に費やしていません。竹内結子さんの場合は、たったの12時間です。遺書すらなかったのに、いったい何の捜査をしたのでしょう?
ウィリアムズ氏とマックイーン氏の「自死断定」に2ヶ月以上かけるアメリカ・イギリスと比較しても、日本の警察の異常さ、怠慢が判りますね。
問題2 司法解剖/薬毒物検査 せずに自死断定
ロビン・ウィリアムズ氏も、ケイト・スペード氏も、アレキサンダー・マックイーン氏も、3人共鬱病と不安症の治療を受けていました。ケイト・スペード氏 や 伊良部秀輝氏は別居状態だったことから、夫婦関係に何か問題があったのは間違いないでしょう。(それぞれ配偶者は否定されていますが「離婚を迫られていた」という報道がありました)アレキサンダー・マックイーン氏は、過去に自殺未遂事件まで起こし、デザイナーとしての重圧やお母様死去による喪失感と闘っていました。
もうこれらの状況だけで、日本ならさっさと「自殺」と断定して終わりにしちゃうことでしょう。しかし、4人(*1) のケースでは、「自殺してもおかしくない」状況であっても、遺書のようなモノがあってもなくても、初動捜査で事件性がないように見えても、キチンと「司法解剖・薬毒物検査」をしているのです。
「司法解剖・薬毒物検査」をすることによって、ロビン・ウィリアムズ氏の場合は「鬱・パーキンソン病・パラノイアを患っていたこと」が、他の人達の場合は、自殺する際に「精神安定剤・コカイン・アルコール」を摂取していたことが判明し、死去に至るまでの状況がより具体的に分かりました。
一方、日本の場合は、薬毒物検査どころか、司法解剖さえもしてないですよね。
(*1) ケイト・スペード氏の場合、どこの記事でも「薬毒物検」についての報道がなかったので未確認
問題3「公式発表しない」警察の無責任さ
アメリカ・イギリスの著名人の縊死のケースでも、日本と同様、最初は警察の現場検証も検視も十分に行われていない段階で、『自殺とみられる』という言葉でニュース速報を流しています。
訃報と同時に、遺体が発見されたご自宅前には、メディアがどっと押しかけて、取材合戦となっています。ここも、春馬さんと似たような状況ですね。
しかし、ロビン・ウィリアムズ氏、ケイト・スペード氏の場合は「記者会見」で、アレキサンダー・マックイーン氏の場合は「死因審問」で、死去に至るまでの背景(当日の時系列、発見時の状況、病歴など)から、「検視・司法解剖・薬毒物検査」の結果まで、警察がキチンと発表しています。
特に、ロビン・ウィリアムズ氏にいたっては、記者会見で発表するだけでなく、読み上げられた 公式文書は警察のホームページで「ニュースリリース」としても掲載 されています。
しかも、ロビン・ウィリアムズ氏の場合は「マリン州保安官事務所Keith Boyd警部補」、アレキサンダー・マックイーン氏の場合は「メトロポリタン警察署のPaul Armstrong刑事・Lynda Martindill検視官・Paul Knapman検視官」といった感じで、誰が担当したのか…責任の所在が明白 になっています。
一方、日本は、春馬さんだったら「三田署」と、担当した警察署しか発表されていません。いい加減な捜査をしても、決して個人が責められることはない。本当に甘い仕事をしてるなぁ。。という印象を持ちます。
井上公造氏によると、「芸能レポーターは警察とは接触できないので、取材にも限界がある」そうです。海外とは圧倒的に違いますよね。
アメリカ・イギリスの警察がそこまで公表する理由はなんでしょうか?
その答えは、春馬さんの訃報が報じられてからのこの10か月間の様子を見たら、一目瞭然ですね。
海外のケースを見てると、著名人の死に対して説明責任があるのは、所属事務所ではなく警察。なのに、日本の場合は、「自殺か?」「自殺とみられる」とだけメディアが報じて、あとは放置。警察からの捜査の報告も、自殺を断定したのか?したならどういう理由でなのか?…などの情報もありませんでした。
「事件性はなかった。自死であった。遺書はなかった。」と報告があったのは、所属事務所のアミューズからのお知らせのみ。警察から直接報告ではありません。春馬さんの訃報から1カ月以上も経ってからですが、説明は中途半端で、時系列も「午後」や「約束の時間」など抽象的な言葉ばかり。
日本を代表する俳優が突然亡くなって、これでファンが納得する訳がありませんよね?
一方、アメリカ・イギリスの警察は、ケイト・スペード氏、アレキサンダー・マックイーン氏同様、ロビン・ウィリアムズ氏の場合も、キチンと時系列を発表 しています。
問題4 内容バラバラ、作り話もするメディア
ロビン・ウィリアムズ氏、ケイト・スペード氏、アレキサンダー・マックイーン氏の死について、私が調べたところ、発見時の状態や故人の背景、遺族の証言といった重要な情報には世界の各メディアともバラつきがなく、警察の発表通りの統一性を持った内容で報じています。日本のメディアのように、「メディアによって報じてることが異なる」なんてことはありません。
セレブの話は、パパラッチが激写した写真と共に、勝手に面白おかしく「ゴシップネタ」として報じるのも珍しくないメディアも勿論海外にもありますが、それでも、「人の死」に対しては異なるようです。
日本のように、遺書ではなかったのにもかかわらず「日記に遺書」「室内に遺書」「遺書公開(週間文春)」などとデタラメを書き立てるメディアもありませんでした。
・亡くなったのは自宅なのか?病院なのか?
・発見されたのは何時だったのか?
・警察だけでなく、救急車も来ていたのか?
・体内からアルコールは検出されたのか?
・精神的な疾患はなかったのか?
などなど。。今でも春馬ファンが騒いでいるこんな疑問も、ロビン・ウィリアムズ氏、ケイト・スペード氏、アレキサンダー・マックイーン氏については、警察やメディアがキチンと統一性のある詳細を伝えてくれているので、世界中のファンから投げかけられてはいません。
「CIAに殺された」「実は、生きてるのかも」といった馬鹿げた噂もあまりないですし、ファン同士が「自殺か他殺か」で醜い争いを繰り広げることもない。ましてや、こんな「自殺されたと思われます?」などといったアンケート調査も見当たりません。
アメリカ・イギリスの警察が出来る限りの情報を公表しているのは、まさにこれが理由ではないでしょうか?
「著名人の死がどれほど人々の混乱を招き、精神や健康に影響を及ぼすのか」を理解しているからこそ、国の行政機関としての役目を果たしている んだと思います。
春馬さん(+他の芸能人)の死に関して、日本の警察 (*2) が説明責任を果たしてないからこそ、「他殺説・陰謀説・憶測・デマ」などが数多く飛び交ってしまうのも当然ですよね。
(*2) 春馬さんの件について、私を含めて多くの人達が「所属事務所のアミューズ」に対して「説明して下さい」と要求してきましたが、このように海外の例を見ると、本来は警察の任務。考えてみれば、実際に捜査にあたり「自死」と断定したのは警察なのですから、説明責任はアミューズ側ではなく、警察にあると考えるのが自然です。しかし、日本の場合、警察がその任務を果たさないのなら、せめて代わりにアミューズに説明をしていただければ…と願ってしまいます。
SNS上では、日本のメディアのことをこんな風に言ってる人もいます。

これには呆れてしまいました。
確かに、「報道なんて、そんなもの」なんですよ。だからこそ、多くの情報から「真実/事実」と「フェーク」を見極める「Critical Thinking(批判的思考)能力」を養わなければならないんです。
しかし、「報道なんて、そんなもの」と、私達視聴者・読者が当たり前に受け入れてしまってはダメなんですよ!裏付け取材もしないで、いい加減な情報を垂れ流す日本のメディアを、惰性で受入れてしまったら、それこそ「それでいい」と黙認することになり、ますますメディアの質は悪くなっていくのは必至でしょう。
今まで、私達日本国民が「報道なんて、そんなもの」と当たり前に受け入れてしまったからこそ、今の最低な日本のメディアが出来上がってしまったんです。それを忘れてはいけません。
警察も然り。春馬さんの件で日本の警察がやっていることは、仲良しメディアにゴシップネタを提供して、視聴率や購読率アップに協力しているだけ。本当にアメリカ・イギリスの警察と違い過ぎて、呆れてしまいます。
日本の警察は、早々に”自死”と決め付け、捜査にも時間をかけず、司法解剖も薬毒物検査もしない。記者会見で公式発表もしない。人の命をいったい何だと思っているんでしょうか?
これらの問題は、決して春馬さんなどの芸能人の問題だけではありません。簡単に「自殺」と決め付ける日本の警察のプロ意識に欠ける怠慢は、偽装殺人の見逃しに繋がっているかもしれないのです。アメリカ・イギリスの警察のように、日本の警察も変わってもらわなければ!
変わるまでには長い長い道のりになるでしょうが、社会問題と考え、私達が声を上げ続けて問題提起すべき と私は思います。
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